NEW NORMAL NEW STANDARD at Milan Design Week 2023

素材の芯まで余すところなく使い切る

展示会場となるレストラン跡地は既存のカウンターや内装仕上げが残るノイズの多い空間であったため、軽やかで透け感のあるメッシュ素材で空間全体を包み込むことで周囲のノイズと展示作品を切り離すことを試みた。

今回の展示テーマが日常を豊かに過ごしながら災害などのリスクへの対策を行う「心地よい備え」であったことから、展示作品の周りのメッシュは動きの少ない「静」とし、展示作品の間のメッシュはリスクや脅威を表現する「動」として表情にメリハリをつけた。

また、メッシュは極力切らずに天井から床へと一筆書きのように覆い、後で容易に取り外せる極小のピンで繋ぐことで素材の表情を作ると共に再利用もしやすくしている。

今回のような海外での展示では輸送コストが問題になり、費用などの面から使用できる物量が制限されることが多い。その問題をクリアするために元々メッシュの巻芯に使用されていた紙管で什器を作ることで部材を減らし、紙管とメッシュのねじりを組み合わせることで独自の表情も生まれた。